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メッセージを送り終わり携帯をしまうと、前の方から走ってくる人が見えた。
「奥村さーん!」元気そうにこちらに走ってくるのは、後輩の芦塚くんだ。
「あら、芦塚くん。朝から元気ねぇ。」
「そうですかね?僕はこれが普通ですよ。」
「若い人は違うわねぇ…。」
「何を言ってるんですか!奥村さんだってお若いですよ!」
「はいはい、お世辞ありがとう。」
芦塚くんは爽やかイケメンの男の子だ。
会社の女子にはキャーキャー言われている上に仕事もできる為、
いろんな人から人気と信頼がある。
私が新人教育係として、芦塚くんに仕事を教えることになったのだが、
それからと言うもの芦塚くんに懐かれている。
若い子に懐かれて悪い気はしないけれど…
なんて、考えていると芦塚くんに声をかけられる。
「奥村さん、何考えているんですか?」
「芦塚くんが懐いてくれてて嬉しいなぁ...って考えていたのよ。」
と言うと芦塚くんは少し顔を赤らめ
「な、何言ってるんですか! 急にやめてください!」と慌てる。
そんな姿が可愛くて「芦塚くん可愛いわね」なんて言うと、
少しムッとした感じで「からかわないでください!!」と言われ
軽く拗ねてしまった芦塚くんをなだめながら、私たちは会社に向かった。
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