顔を上げるたび向かいのカップルが替わってた日の話

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視界の端が何やらザワザワと動き出したので、次の駅についたのかと思い顔を上げると、次の駅を出発したところだった。 車内はスーツ姿のサラリーマンたちが窮屈そうに揺られている。おやおや、本の世界に入り込み過ぎていたようだ。 もう一度、本の世界にダイブしようとしたとき、向かいに座っている2人が目に入った。男女2人、しかし先ほどの強烈な匂いのカップルではなく、私より5つは年上だろう、大人しそうな地味目なサラリーマン風の男女。 声は聞こえないが何やら楽しい会話をしているのだろう、2人とも遠慮がちに笑っている。 あらあら、その席はカップルシートか何かですか?電車の端の席はカップルしか座っちゃダメにでもなったんですか?まぁ先ほどの2人とは違って、常識人っぽいから許しましょう。お仕事お疲れ様です。
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