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青春と孤独
緊張、踏鳴、打突、勝敗、仲間、青春。
6月、ハーフパンツでいいか悩む時期、体育館はそんな言葉で溢れかえっていた。毎日の過酷な練習はこの日のためだったと、敗れた選手の表情は悔しさと、どこか満足そうな顔をしている。
猿みたいな叫び声、竹刀と竹刀とが反発し合う音はなんとも言い表し難いが、素足が体育館床を叩く音はまるで給食の袋に入ったパンを破裂させたようだと思った。
小学生の頃、あれをすると毎回先生に怒られるんだよなとか、そんなことを思っている間に試合は終わっていた。
面を外した選手5人が整列し礼をする。戻ってきた選手達の背筋は伸び、やってやったぞと言わんばかりに胸を張っていた。「みんなよくやった」と手を叩いて喜んでいる監督。
たぶん、この中で僕だけが喜んでいない。
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