透明クラゲ

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「そういえば、さっきの子に話してた姫凛桃って確かピンクのことだろ?今学校に来ていないこと、お前知っているじゃん。教えてやればよかったのに。」  まるで家でくつろぐかのように転がっていた青玉が先ほどの会話を聞いていたらしく、むくりと起き上がりそう言った。  変なところで勘がいいのはこの弟の嫌なところだと抹茶は思わずため息をついた。  実は姫凛桃はわけあって、学校に通わず青玉の職場で「ピンク」と呼ばれ、お手伝いをしているのを知っていてあえてはぐらかしたのだ。 「それを知ったら、掲示板に彼女もたどり着いてしまうから言わなかったんです。」  ―――抹茶の言う掲示板  姫凛桃が学校を通わなくなった大きな理由だ。  たどり着けば、きっと梢も傷つくことになるだろう。  姫理桃も筒島梢も学校の生徒たちからしたら普通ではないもの……異端なものだ。  表では『みんな平等。みんな仲良く』を掲げていても、人は異端なものを排除したがる傾向にある。  現に茶道部も子たちも『変わり者が成金お嬢様を探しているらしい』と、抹茶にをする感じで自然に会話をしていた。
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