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私は今年で三十路を迎えるOL。
広告代理店に勤め、営業部となったが業績は伸びず・・・
毎晩、残業に明け暮れて婚期を逃し、今宵、誕生日の私は仕事終わりに"オアシス"へ訪れた。
どこで私は、恋を逃してしまったのだろうか?
私を恋愛へ目覚めさせる便利な薬でもあれば、手を伸ばしてしまいそう。
私が失った、甘い恋の味が欲しい。
マスターにそう、注文した。
すると、ものの数十秒で私の目の前に紅に染まる、ルビー色をした宝石のようなカクテルがカウンターに現れる。
「・・・まぁ、綺麗なカクテル・・・」
「こちらは、私がお客様の表情を読み取り、イメージしてお作り致しました当店特製のスペシャルカクテルです。
どうぞ、こちらはサービスになりますので、心置き無くお召し上がりください」
「まるでレッド・アイみたい・・・」
一口含むと、舌を包むように滑らかな口当たりが印象的な甘い味。
「素敵ね・・・とっても美味しいお酒よ。
ところでマスター、こちらのカクテルのお名前は?」
「"おくすりのめたね"でございます」
「いやいやネーミングセンスおかしいから!!!」
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