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銅細工のように オシャレ
秋が終わる頃の ハマナスは
しなびた赤い実が 愛らしい
もう 赤という色さえ抜けて
黒く 硬く ゴツゴツになった 実は
まるで銅細工のように オシャレで
過ぎた時間の長さを
素直に受け止めている しぼんだカタチは
たまらなく 凛々しい
俺が そんなことを
ストーブの横で ポツポツ 語ると
祖母は 俺を ジッと見て 言った
子どもだと思っていたのに あんた
そんなこと 感じてたんだ
どんな大人になるんだろう
それまで生きていられない
私も 枯草の仲間だからね
祖母は ははは と 笑った
祖母は いつも 俺の友だちだった
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