死にたい死にたい言うてバカタレが❗️

あと一歩のところで踏みとどまった。
夕刻より深夜まで、殿方たちのお相手をこなした私は温かいお風呂に浸かっていた。
風呂の中で泣いていた。

お父ちゃん、なんで逝ってしもたん？
約束したやん
うちがお店やるから、
お父ちゃんは洗い場担当で
身を隠したらええって
自己破産したらいいやんって言うたやん
武士道の道にもとる
とか、何カッコつけてんの
生きてこそやんか
お母ちゃんかて泣き崩れとるよ
お父ちゃんの言う武士道って
己の命をいとも簡単に棄てることなん？
今時、そんなん流行らんし

湯灌まで全部こなした私は、
白装束に着替えさせたシーンさえ
目に焼き付いていた。

死にたい死にたい言うてバカタレが

あんたに何が解るん
大好きな大好きなお父ちゃんが
おらん世の中はうちにとって
地獄同様

死にたい死にたい言うてバカタレが

うるさいわ
そんなんでうちを思い止めさせようとしたかて無理やから

死にたい死にたい言うてバカタレが

そやな、うちはバカタレや
それでエエやろ？

睡眠薬をオーバードーズ。
深い眠りに就いた。