彼女の名前

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 帰り道、落ち込んだ気持ちで駅まで歩いた。  会えなかった事がどうしてこんなに落ち込むのか自分でもわからない。  ため息が零れ出る。 「のびちゃん!」  いきなり、進行方向から歩いて来た人に言われた。 「やっぱりのびちゃんだ」  ピンク色のジャージ姿の彼女がいた。 「そうか、アルバイトの帰り?」 「はい」 「のびちゃん、何時からスーパーにいるの?」 「平日は四時から閉店までで、土曜日は一時から六時までいます」 「そうなんだ。今日行けば良かった。私、お買い物、だいたい午前中にしちゃうの」  彼女がうふふと笑った。  外灯の下でキラキラした彼女の笑顔が見える。 「こんな時間に何してるんですか?」 「散歩。週に三日は行くようにしてるの。すぐ、太っちゃうから」  明るい笑い声が響いた。 「全然太ってませんよ」  彼女は華奢な体型をしてる。 「ありがとう」  微笑んだ彼女と目が合う。  ドキッとした。 「い、いい加減名前教えて下さい」 「名前?」 「今度会ったら教えてくれるって言ってましたよ」 「そうだっけ?」 「そうですよ」
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