彼女の名前

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「どうせのび太ですから」  ふふっと笑った直美さんの声が心地よく胸に響いた。  直美さんとずっと一緒にいたい。  少しでも長くいたい。  駅まで歩きながらそんな事を思った。 「日曜日、またお茶しよう」  改札の前まで来てくれた直美さんが言った。  明るい照明の下で見る直美さんはやっぱり四十才に見えない。綺麗な人だった。 「お茶ですか」  わざと渋ってみせる。  誘いに簡単に乗るような軽い男に見られたくなかった。 「ダメ?」  直美さんが甘えるように上目遣いで見てくる。  僕の方が身長はあった。直美さんの顔は僕の肩ぐらいにある。 「予定を確認してみないとわかりません」 「そうか。忙しいのね」 「メールします。だから連絡先教えて下さい」 「いいよ」  直美さんがポケットからスマホを取り出した。  僕もスマホを出して連絡先を交換した。
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