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日曜日
日曜日、直美さんは本当に家に来た。
カフェで待ち合わせて仕事終わりの直美さんと合流した。
直美さんは秋らしい柿色のカットソーにジーパン姿だった。よく似合っていた。
築二十年のアパートに直美さんを案内した。
カフェから歩いて十分。
アパートは六世帯入ってて、一階の一番奥の部屋に住んでる。
普通のどこにでもある木造の白い壁のアパートを見て、直美さんは「いい所だね」と言った。
「どうぞ」
部屋に直美さんを通した。
三帖のキッチンと、六帖の部屋と、トイレと、お風呂があるだけの部屋だった。
「片付いてるんだね」
本棚とテレビしかない部屋を見て直美さんが言った。
「もっと男の子の部屋って散らかってると思ってた。うちの子なんて酷いのよ。ドア開けたら脱ぎっぱなしのパジャマ出てくるんだから」
直美さんが明るい声で笑った。直美さんがいるだけで部屋が明るくなる。
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