6 剥がれていく仮面

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アンリは、 「京子さんは由加里の信奉者だった。それぐらいの調べがついていると、あなたは本当に考えなかったんですか」 「……アンリ、さん?」 佐保を追求するアンリを、千代は唖然と見上げる。 ついていけない千代の気配を察したのか、アンリは小声で教えてくれた。 「京子さんの売春グループを立ち上げたのは、実は由加里だったんだ」 「えっ!」 「由加里はこの家の人脈を利用して、女性たちに社会的地位のある男性を客として斡旋していた。表向きのグループのリーダーは京子さんに預けてね。 だから京子さんは由加里のことを信頼していた。彼女が最初にした自己紹介を覚えてる?」 京子は、 「佐保さんとは家族ぐるみのお付き合いをさせていただいています。娘ではありませんが、似たようなものです」 「あれは真実だよ」 京子は佐保とをしていた。 そして由加里は、佐保の娘だ。 では、 「どういうこと?」 千代が聞けば、 「佐保さんが語った京子さんの動機は、デタラメだ」 「!」 アンリは佐保に向き直り、 「だからあなたは京子さんを殺すしかなかった。京子さんが目を覚ませば、あなたのついたウソが全部バレるから」
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