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きらきらきらきら。CGのようなその効果は、紗子にしか見えないってちゃんと分かっている。
和久田のことが眩くて目を細めるのと同時に、やっぱり心臓が走り出した。どきんどきん。……なんて言うんだろう。和久田が其処に居てくれるだけで嬉しい。クリスと会ってるときの安心感と言うのとはまた違う、包み込まれるような感じ……。もしかしたら、和久田は紗子が懇願したら、何でも許してさえくれそうな、そんな雰囲気を醸し出している。
すうっと、心の奥が満たされた気がする。ぽっかり空いていた穴に、和久田がすとんと収まった感じ。欠けていたパーツが埋まって、紗子はじんわりと幸福感に包まれていた。
「そんでさ。俺、デザインとかよく分からなかったから、適当に買ったんだけど」
何故か話が突然変わる。和久田がそう言ってポケットから取り出したのは、黒いベルベット素材の巾着だった。テーブルの上に置かれたそれを見つめる。
「? なに?」
「開けてみたら?」
開けろと言われたので巾着の口を解いて中身を掌に受け止める。そこにはきらきらと銀に光るネックレスがあった。
「……えっ? ……ええっ?」
そんなものが零れ落ちてくるとは思わなかった。でも、紗子の手に滑り出たネックレスを、和久田が嬉しそうに見ている。
「指輪はまだ早い気がしたし、そもそもサイズが分からなかったし。……でも、俺のもんになってくれた松下に、なにかしるしをあげたかったんだ」
手のひらの上のネックレスをまじまじと見る。トップはかわいいハート形で、小さな石が付いている。きっと長さは鎖骨に届くくらい。着けてみないと分からないけれど。
じっと手のひらを見つめていると、着けてみたら? と勧められたから着けてみる。……うん、やっぱり鎖骨の下にトップが収まる。デコルテがきれいに見えるラインだ。
「……あ、……りがと、う……」
突然のことに脳の処理が追いつかなくて呆けてしまう。恋が成就するって、驚きが次から次へと現れていちいち紗子をどきどきさせる。
「……あの……」
「ん?」
向かいの和久田に視線を合わせると、そりゃあもう蕩けそうな顔でこっちを見てくるから、紗子の方が恥ずかしくなってしまって、顔が熱い。
「わ、わたしも……、わたしも和久田くんに、なにかしるしをあげたい」
紗子の言葉に和久田が破願した。
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