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「失うって、、大袈裟だよー。」
はにかみながら彼女は俺の腕に顔を押しつけた。今、噴水周りのカップルや子供達の視線が俺たち二人へと紫外線レベルで降り注いでいる。
「かまうもんか。」
どうやら俺は彼女のシャンプーの香りに酔ってしまったらしい。普段なら手も繋がず、天邪鬼な態度ばかりをとっているのに。
「わかった。髪の毛切らないよ。大好きなんだもんね。私も髪の毛も。」
「......うん。」
今、彼女の顔は見れない。
だけど俺と同じ表情をしている事位はわかるようにはなった気がする。
俺、やっとわかったよ。
つまらない意地とプライド。
そんなものは大切な人と触れ合う時には
全部洗い流してしまえばいい。
ほら、こんなにすっきりする。
俺の前髪がふと目蓋にかかった。実は俺の髪もかなり長い。男性で肩位あるなんてなかなか珍しいものだろう。
「カットモデル俺がやろうか?どうだ、バッサリ切って坊主とか爽やかでいいだろう。」
俺は彼女にちょっと意地悪をしてみた。
彼女はしばらく無言になりそして......
「......いじわる。」
小さく呟いて
そして俺の腕を軽く甘噛みした。
彼女も俺の髪が好きだからね。
end
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