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「良いですか手洗あなたも今年で十歳。
そろそろ我が絵世院家の真実を教えましょう。
我々が使う降霊術は全て出鱈目で嘘っぱちです。」
「そ、そそそ…そんな!?
依頼主様の近くで何言ってんの姉ちゃん!?」
控え部屋で話す二人の孫、
絵世院手洗十歳と絵世院頃名十四歳。
姉弟は屏風を隔てた直ぐ隣に祖母と依頼人とのやり取りを耳をそばだてて見守る。
金箔が施され、獅子が睨み会っている。
屏風は信者達の寄付金によって買い付けたとても高価な物である。
屏風だけでは無い。
自宅兼仕事場の絵世院流降霊術道場すらも依頼人達から得た資金で増改築されて来たのだ。
「私はとっくの昔に気づいていましたよ。
板子さんは処女どころか娘さん普通に居ますし。
盲目と偽ってますけど両目とも1.0です。
まあお給料さえ頂ければインチキだろうと何でも構いませんし他言する気も無いですが。」
絵世院家のマネジメント全般を取り仕切る
私設秘書、招維持面子30歳は淡白に言い放ちノートパソコンを打っている。
彼女は絵世院板子の仕事のスケジュール管理から家事手伝いさんへの指示、毎日のおかずの献立など全てを考えねばならない。
子供達がまだ小さい頃に家出した母、絵世院告子の代わりでもある。
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