サント・マルスと大陸の覇王 巻の9

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その95.一枚の絵  「この度は、再選おめでとうございます。」 集まってきた側近の一人にそう言われ、セヴァスチャン・クリフは再び 大統領の座に返り咲いた事を実感する。大統領官邸の執務室に足を運び、席に着いた。 「ご苦労さまでした。皆に感謝します。」  ここ最近、国の一大事とも言える事が相次ぎ、その後の事で頭が いっぱいだ。秘書の一人は冗談交じりで 「今後の課題は前大統領の後始末からですかね。」と言った。 「そのようだな。」 クリフ新大統領は苦笑いをする。  そして誰もいなくなると、執務の椅子に掛け、一息ついた。 「おや・・・?。」 人払いをしたはずの執務室に誰かいる様子だ。立ち上がりそっと近づく。「キミは?。」  幼い少年がそこにいた。クリフ大統領は少年に手を差し伸べ語り 掛けた。 「やっと戻って頂きましたね。守護神サント・マルス。」 すると少年はにっこりと微笑んだ。 「待たせたな。ヘル・プレズデントよ。」 その光景は、ロナウハイドが大陸神ユーラントから守護神サント・ マルスを僕として与えられたあの絵と同じだった。                          -完ー
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