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《プシュー!!》
シカーイが腕を伸ばすと、それに合わせてステージの床が開閉。そこから白い煙が溢れ、中から商品が姿を現した。
「ロットナンバー01、ヘルシープロのプロテインドリンク! 一ヶ月分!!」
《ヘルシィー!!》
商品の紹介直後、モニターにヘルシーの顔マークが大きく表示された。
「早速、出ました! スーパーヘルシー!! この商品はボーナスマネーでのみ落札が可能です!」
「おお!」
「まずはVTRをどうぞ!」
シカーイがそう言うと、ステージのモニターと各席のモニターに映像が流れ始める。
《あの超優良健康食品メーカー、ヘルシープロから、一ヶ月分のプロテインドリンクが登場!
アマチュアからプロまで、多くのスポーツ選手や冒険者が愛飲している超人気商品!
タンパク質含有量は、なんと一本50g!
味の種類も豊富で、飲みやすいと評判! 効果実感の声も多数寄せられております!!
運動後に訪れるゴールデンタイムに、貴方もこれを飲み続ければ、一ヶ月後にはムキムキボディをゲット!! もうどんなピンチも怖くない!!》
「俺のこの腕も太くなるのか!?」
興奮するケロタン。
「それでは入札のルールを説明しましょう!
この商品が欲しい! と思った方は、モニターに提示額を入力し、入札ボタンをタップしてください!
一定時間後、皆さまの入札額を一斉に公開し、最も額が高かったお客様に、この商品を差し上げます。
ちなみに! 入札に使った分のマネーは負けても失われてしまうので、ご注意ください!」
「ってことは、チャンスは一度きり……。最初の入札額で勝負するのか……。」
「しかも、負けた場合も、入力した分のマネーは失われてしまう。さて、どうする?」
「う~ん、悩む。あれの価値って、普通どんくらい?」
「一ヶ月分なら、100ちょっとくらいだろう。」
「そうか……ところで、俺プロテインってよく知らないんだけど……。」
「はぁ……分かってないのか……。」
アグニスは呆れる。
「三大栄養素の一つ、タンパク質のことだ。筋肉や骨など、体を作るのに必要になる。普通の者なら、一日の食事で十分な量をとれるが、長時間、激しい運動をする者は、多く消費するからその分必要量が多い。
だからスポーツ選手なんかは、ああいうもので補っているんだ。」
「へぇ~、じゃあ欲しいな。」
「チャージされたマネーは1000ライドだが、どうする?」
「う~ん、確実に手に入れるんだったら、全額突っ込めばいい訳か……。」
「もし他にそうした奴がいたら、ジャンケンかその他の方法で決めることになるがな。パンフレットをよく読め。」
「うう~ん……!! アグラン頼む! 後であれ買ってくれ!」
「……はぁ、見合う働きをすれば考えよう。」
「皆さま、入札はできましたでしょうか?
それでは見ていきましょう!」
シカーイがリモコンのボタンを押すと、全員の入札額が次々と公開され――。
そして、最も入札額の多い者の席が激しく点滅する。
「おめでとうございます! 503ライドの方、見事落札です!!」
中々体格の良いノーマンがガッツポーズを決め、他の客は拍手を送る。
「う~ん、504ライドなら勝ってたか。」
「そんなピンポイントで狙えれば苦労はしないだろう。
ただ、ライバルは少なかったようだな。」
机のモニターには全員の入札金額が表示されている。
見ると、確かに0が多い。
「ああっ! アグラン! 画面をキャプチャしてくれ! 覚えらんねぇ!!」
「よく見ろ。左下のボタンから履歴が見れる。」
「おっ。」
《グイーン……!》
商品が床下に戻り、次の商品の準備に入る。
「落札者の方は、オークション終了後に画面が切り替わりますので、そこに商品送付先の住所を入力してください。
そして惜しくも落札できなかった方、気を落とす必要はございません!
まだまだ多くのチャンスがあります!」
「続いての商品はこちら!!」
《プシュー!!》
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