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つばさは与晴に端的に耳打ちした。
LOTUSの二人も察した。
「緊急ですか?」
「はい、申し訳ありません。お話の続きは……」
菊池が遮った。
「佐藤くんに託したから、分からなかったら電話かメールして」
「ありがとー、お菊」
「では、お仕事頑張ってください、小野警部補!」
敬礼する菊池に敬礼で返した。
「ありがとうございます!」
菊池と新居に非礼を詫びつつ、二人は部屋を出た。
蓮見社長と秘書の梅村と鉢合わせた。
「あれっ、もうお帰りですか?」
「申し訳ありません。緊急事態が発生しまして……」
何故か秘書が社長をジトっとした目で見ている。
社長はその視線を感じて逃れるような素振り。
なんだろうか。
しかし、いまはそれに気を取られている場合では無い。
「梅村、エレベ……」
既にエレベーターの扉が開いて秘書の梅村が中で待機している。
「……お二人にお話があったのですが、緊急では無いのでメールしますね」
「申し訳ないです。お手数お掛けしますが、よろしくお願いします」
「では、また。お気をつけて。梅村、しっかりお見送りを」
「……はい」
社長と秘書の遣り取りはいたって普通に見えるが、やっぱり社長が秘書から目を逸らしている気がする。
やっぱり気になるつばさだった。
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