(05)焦りは禁物

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 二人はそのまま作戦会議に入った。 ・防犯カメラ映像を範囲を広げて確認 ・遺体遺棄発見者、神谷、彼のお友達に再度聞き取りを実施 ・仏の司法解剖の際に薬物分析を実施 ・小平と情報交換  まず難関は薬物分析だ。  血と一部の組織を手に入れ、葵とLOTUSに渡し分析を頼む。  それが一番安全で確実だが、軽々しく頼めるものでも無い。 「澤田さんを仲間にすべきじゃないかと班長は言ってました」  それは自身の正体を彼に明かすこと。  そもそも信じるだろうか。自分を好奇の目で見ないだろうか?  他にもいろいろ不安が過った。 「澤田さんは班長の仲の良い同期ですし、岩井先輩のことを今でも気遣って心配してくださってます。大丈夫だと俺は思います」 「……班長と話して最終判断する」  相棒の言うことは尤もだが、不安は消えない。  次の議題は小平との接触。 「こっちから出すのは、関口の捜索願いが出たこと。 秋山が所在不明ということ。 以上。どう?」 「そうですね。問題ないと思います」 「ありがとう。あとはあちらからの打診次第」  あちらもこの事件以外に何かしら欲しい情報があるはずだ。 「じゃ、今日も一日頑張りましょう」 「はい!」  二人は事務室へ戻った。
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