(01)恋の手習い…

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 社長と元夫婦は専門的な話をし始めた。  与晴は社長秘書殺人未遂事件の件の仕事があると言って梅村と会議室から出ていった。  つばさには菊池から説明があった。難しい話を噛み砕いて話してもらったが、完全理解は難しかった。 「女に戻るかこのままか両極端な結果になる、ってことで理解はあってる?」 「その通り」 「中途半端にはならないよね?」  念押確認。関口でほぼ確定してしまっているあの被害者が頭の片隅にチラつく。 「動物実験ではならなかった」  物事に絶対は無いが、やはり不安が残る。  戻れたとして、とつばさは頭を切り替えた。 「……痛いかな?」 「……うん。申し訳ないけど」  喉の痛みは覚えている。 身体の痛みもあったが、気絶したせいで覚えてはいない。  身体が大きくなったときであの痛みだ。今度は縮むのだからもっと痛いかもしれない。  少し怖くなった。 「……他に不安はある? なんでも答えるから」  そう言ってくれる菊池にあれやこれや取り留めなく聞いた。  時に関係ない話に脱線したが、それはつばさには息抜きになった。  しばらくすると、話を終えた葵がやってきて三人で話した。  葵の医師としての判断と医学的根拠からの見解を聞いた。それによってまた少し不安は消えたが、今日この場でどうするか決める事は出来なかった。 「急がなくていいから、じっくりゆっくり考えて。 不安なことあったら聞くからいつでも連絡して」 「……ありがとうございます」 「じゃ。またね、つばさちゃん、碧ちゃん。 今度飲みに行こ、女子会!」 「いいですね! しましょ!」  乗り気の菊池を横目に、元に戻れたら女子会になるが、戻れなかったら何会になるのだろと真面目に考えてしまったつばさだった。
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