(02)友

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「このうさぎのぬいぐるみ、まだ持ってたの?」  変わらない沙代の問いかけに驚き手を止めたが、 振り向かずに今までと同じ返事をした。 「わたしの大事なうさぎさんだから……」  沙代にもらったうさぎ。  いままでの人生の大半を共に過ごしてきたうさぎ。  捨てられるわけがない。 「つばさ」  本当の名前を呼ばれた。 すぐ横に沙代が来ていた。 「……信じてくれるの?」  自分を少し見上げてくる彼女の眼差しは、以前と同じだった。 「……うん」  親友が戻ってきた。 「ありがとう」
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