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「このうさぎのぬいぐるみ、まだ持ってたの?」
変わらない沙代の問いかけに驚き手を止めたが、
振り向かずに今までと同じ返事をした。
「わたしの大事なうさぎさんだから……」
沙代にもらったうさぎ。
いままでの人生の大半を共に過ごしてきたうさぎ。
捨てられるわけがない。
「つばさ」
本当の名前を呼ばれた。
すぐ横に沙代が来ていた。
「……信じてくれるの?」
自分を少し見上げてくる彼女の眼差しは、以前と同じだった。
「……うん」
親友が戻ってきた。
「ありがとう」
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