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その頃、女子会では……
「ほんと信じられない!
どこまで恋愛でバカになるの!?」
つばさは沙代に叱られていた。
吉田が庇う。
「袖崎さん、許してやって。騙す男が悪いんだから」
「それはそうですけど、いつまでもクソ男を吹っ切れなかったつばさも悪いです」
つばさは反撃した。
「沙代だって茂のこと吹っ切れてないじゃん!」
「は!?」
「ヨリ戻しなよ」
「何言ってんの?」
「茂は何も悪くないし、クソ男じゃないよ」
「なんであの男の肩を持つの!? ほんとありえないんだけど!」
西谷が割って入り収めた。
「まぁまぁまぁ! 一旦休戦! 飲みましょー!」
つばさは屋上で散々泣いて溜まったものを吐き出したおかげか次に進む決心がついていた。
「来週、母と一緒に弁護士に会って、婚約破棄と慰謝料請求の相談してきます」
吉田に励まされ、 西谷に応援された。
「よく決心した」
「頑張ってください」
沙代に謝られ、ハグされた。
「つばさ…… ごめんね……」
しかし彼女は直ぐに身体を離した。
「……身体大きくなってない?」
腕やらお腹やら触り始めた。
「こんな身体になって、元に戻れるの?」
「触りすぎだって。そんなのわたしがいちばん知りたいわ……」
沙代は手を引っ込めた。
「だからつばささん、与のスーツ着てたんだ」
西谷は気付いていたらしい。
「入らなくなっちゃって……
新しいの買いに行くまで借りてる」
「与と一緒に買い物行くんですよね」
「うん。服買う時は必ず一緒に行く」
「ほんとどんだけ仲良いの、あんたたち」
吉田に笑われた。
「コーディネートさせてくれってせがまれてるからですよ。
それにわたしがご飯奢るから」
「すっごい懐かれてるね」
沙代がおもしろそうに言った。
「大型犬みたいで可愛い」
酒が進んだ頃、西谷は歯に衣着せず言った。
「そもそもつばささんは、恋愛偏差値低すぎなんですよ。
だからあんな男に引っ掛かったんです」
沙代がそれに賛同する。
「そう。その通り!」
「はいここでつばささんに質問です。
与晴に新しい彼女はいる?居ない?」
「……え? いるんじゃないの?」
「不正解!いませーん!」
新しい子がいるんだろうな、と思っていた。
しかしどうやら大間違いだったらしい。
「毎日一緒にいてなんで分からないの?」
吉田にも引かれた。
「そういう話、まったくしなかったんで……」
彼と話すのは、仕事、ドラマ、日常のたわいもない話……
「彗さん、察せないのが恋愛偏差値ど底辺の証拠です」
「……それもそうだ」
西谷はハッキリと言った。
「与、合コン全部断ってるんですよ」
「……え」
「女子からの誘い、アタック、全部断ってます」
自由にしろと言ったのに。
彼の自由を奪っていたのだろうか……
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