3、6、9

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「……え、野間くんわかるの」 「うん。わかるよ」  運命だ。  僕はそう思った。  この感覚を持っている人に出会えるとは。    ――わかってもらいたいわけじゃない、なんて。    そんなのただの強がりだった。   「僕と友達になってくれない?」  同じものを愛している人と出会えたことが、心の底から嬉しかった。 「……私は、まだ怪しんでるわ。あなたが本当にかどうか」  言葉通り、彼女の表情は警戒を緩めない。  「私と友達になりたいなら……これだけは訊かせて」  そして、彼女は口を開いた。 「円周率のことどう思う?」 「あいつは色んな数字をたぶらかす節操なしだ」 「よし友達になりましょう」  こうして僕たちは友達になり、そして流れる時の中で交際を始め、今に至る。
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