二日目 第九話 黄色い防護服

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俺がトラックから下りて来たのを見て男達は立ち止まった。 まっ黄色の感染防護服に防毒マスクまで着けている。N95マスクで十分なのに大層な格好してるな。 そして肩から提げているのは……葵の懸念した通り、ライフル銃だった。軍用の、アサルトライフルって奴かな。詳しくは分からないが。 男達はまだ銃こそ構えていないものの、両足を肩幅ほどに開いて少し腰を落とし、いつでも戦闘態勢に入れるような緊張感を漂わせている。 念のため両手を挙げ、こちらに攻撃の意思はないことを示しておこう。その上で、一定の速度でゆっくり歩く。 声が届くほどの距離になった。とりあえずこちらから挨拶しておこう。 「お疲れ様です! 私はこの大学の教員で山野といいます!」 両手を挙げたまま、少し腰を折って頭を下げる。珍妙な格好だ。 だが防護服の男達はジッとこちらを見据えたまま、笑いもしないし言葉も発しない。 この距離だとどうしても大声になってしまうため、もう少し近づこうと思って、二三歩足を進めたところで、 「動くな!!」 マスク越しに怒鳴られてしまった。 しかももう一方の男が、どこから出したのか拳銃を両手で構えてこちらに向けている。この距離で頭を撃ち抜かれたら、さすがの俺も一発で成仏だろうな。立ち止まらざるを得ない。
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