二日目 第十三話 指輪とパスワード

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ただこのウイルスが生物兵器として実際に使われることは、自分の命に代えても阻止しなければならない。 だから君にもう一度話をして、俺の安否確認を手伝ってくれるようにお願いした。そして俺の身に何かあったら、この部屋のパソコンを起ち上げてくれと頼んだ。 この部屋にあるパソコン4台にはそれぞれ、ウイルスと抗体治療に関する様々な情報、それとI国やテロリスト達の正体を暴露した文章が納められている。 そしてこれらのパソコンは起動後、各国の政府と諜報機関、それと主な報道機関に、上記の情報を英文メールでスパムの如く何度も送りつけるようにプログラムを組んである。 ネットが落ちていれば、ネットにつながった瞬間にメール送信を開始する。SNSに投稿するという方法もあったが、情報の信頼性が落ちてしまうし、外から操作されやすいのでメールにした。 メールを受け取る側にすれば迷惑な話で恐縮だが、それぐらいやればどこかが本気にしてくれるだろうし、お互いが牽制し合って変な動きは起こさないはずだ。そう考えたんだ。 ノートパソコンは奪われる可能性がある。デスクトップも壊されるかもしれない。ただ、どれか一つでも残っていて君が起動してくれたらと思って4台とも同じ仕掛けをしといた。
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