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二日目 第七話 約束
「それより1ヶ月前に俺がお前に何を話して、お前をどう巻き込んだのか、それを教えてくれないか?」
「いいわ」
葵はベッドに腰掛けて話し始めた。
陽奈も起き上がって興味津々といった顔で聞いている。
「ええっと、1ヶ月前って言ったけど、あなたどうせ大事なことも忘れてるでしょうし、だいぶ話が遡るけどいい?」
「いいよ、もちろん」
「じゃあ……私が必死で止めたのにあなたがアメリカに留学しちゃったところからね」
「えっ? なんだそりゃ。俺はお前の反対を振り切ってアメリカ行ったのか?」
「そうよ。『アメリカ行くなら婚約破棄して行って』って言ったら、あっさり婚約破棄されたのよ」
「ええ~っ! ひどい!」
突っ込んだのは陽奈だ。
「そうよ、だから女を泣かす悪いヤツだって言ったでしょ?」
「ホントですね……」
陽奈にまで睨まれちゃったよ。まあ実際、ひどい話だな。研究のためにこんな美人を振るか? 普通、あり得んだろ。
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