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「UNOで100連敗したらなんでも言うこと聞くって言ったじゃないか。」
「それは…。」
俺は恭子の約束を守らないヤツが一番嫌いという性格を突いた。
「一生に一度のお願いです!101連敗しても何も求めませんから!」
「何、次も勝つ気になってんのよ!」
勝気で男勝りだが、情が深くて曲がったことが大嫌いな恭子は、俺の一生に一度のお願い、プラス、約束を交わしたという事実から、渋々、なりきりユニクロ店員セットをひと抱えすると、バスルームへと入っていった。
ガサゴソと着替える音がしばらくし、静かになったなと思った数十秒後にゆっくりバスルームの扉が開いて恭子が出てきた。
「完璧だ…。」
細身の身体をさらに細く見せるユニクロのシャツとジーンズは、予想以上に恭子をユニクロの店員にさせた。
「ユニクロの店員って、こんなiPhoneのイヤホン着けてたっけ?」
「着けてた!」
「こんなシャツ着てたっけ?」
「着てた!なんならカーディガンを羽織っても良し!」
俺は恭子の隅々まで眺めながら、そのユニクロさにうっとりしながらも、ユニクロ漏れがないかもチェックした。
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