ユニクロフェチ

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「え?ユニクロ!?」  恭子が素っ頓狂な声を上げて驚いた。  俺は正座をしたまま、もう一度おでこをフローリングの床に擦り付けるように頭を下げた。 「ユニクロの店員さんの格好をしてください。」  恭子が次の言葉を発するまで俺は土下座の姿勢を崩すまいと決めた。  数十秒の沈黙が流れた。  恭子がどんな顔をして、どう動いたのか見えはしなかったが、後頭部に突き刺さる視線は痛いほど感じられた。軽蔑の念を孕んでいたのを易々と感じ取れた。 「もう!わかったわよ!」  勝った。  俺はゆっくりと顔を上げた。まだ恭子の顔は見なかった。 「ありがとうございます!」  まるで君主に感謝を伝えるように、目を伏せたまま腹から出した声で礼を言った。  そして立ち上がり、恭子の顔をチラッと見た。目があった瞬間、恭子が何か言おうと頬筋を動かしたのを察知したので、すぐさまクルッと回れ右して、逃げるようにクローゼットに駆け寄った。
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