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太陽と星の間で
夕暮れ時、キャラバンが砂漠を歩いて行く。
ラクダに乗り、昼と夜の間に先へと進む。動けるのは昼と夜の間、そして夜と昼の間だけだ。なぜなら昼間は暑すぎて危険だし、夜は寒すぎるからだ。
なかなか先へ進めないけれど、この旅が嫌いなわけではない。
太陽が地平線に隠れきる前に今夜眠るためのユルタをみんなで組み立てる。夜はひどく寒いけれども、ユルタの中に入れば温かく過ごせるのだ。
組み上がったユルタの中から顔を出して空を見上げる。遮る物が何もない空では、零れそうなほどの星が輝いていた。
この星空の下で少しだけ眠って、朝早く起きてまた歩き始める為の夢を見よう。
焼け付くような太陽と、凍えるような星の間で僕達は生きるのだ。
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