昼と夜の間?

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来たか、まぁ入りな。 こんな夜中に一人で、勇気あるな、姉ちゃん。 危なっかしいモノは持って来てないだろうな。 まぁ、臭いがしないから大丈夫か…。 おいおい、震えてるじゃないか。 安心しな、約束の報酬さえ貰えりゃ、それ以上は何も望まねえ、心配すんな。 さぁ、インタビューってやつを始めてもらおうか。 ・・・・・・・・・・・・・・・ 「昼と夜の間はいつ?」だと? おいおい、いきなり、そりゃ変わった難しい質問だな。 「昼」って言葉は知ってるが、俺達の言葉には無いぜ。そりゃ、あんたらの世界の言葉だ。 でも、「夜は、いつ?」って言われたら、はっきり言えるぜ。 太陽が沈みきった後さ。そう、完全にな。 何時何分からとかじゃねえんだよ、夏は短く、冬は長いしな。    俺達は、夜にしか活動しない…まぁ、できないんだがね。 しかし、生きにくい世の中になってきたもんだぜ。 オートロックに二重窓、おまけに防犯侵入ブザー…。なかなか、簡単には侵入出来なくなってきた。 俺達だって、栄養摂らなきゃ死んでしまう。 だから、夜が待ち遠しい。昔より手間取る分、時間が長く欲しいのさ。 だから、少しでも早く起きて働きたいのよ。 でも、失敗は許されねぇ。「失敗=死」だからな。 だから、毎回ドキドキなんだぜ。 もしかして、太陽がまだ隠れきってないじゃないかってね。 「昼と夜の間は?」って質問だったよな。 あんたと話していて、分かったぜ。 目が覚めて、ハコを開けるまでの時間だな。 「死」を覚悟して、「生」を感じるあの瞬間が、俺にとっての「ハザマ」ってヤツだな。 おっと、悪いな少し腹が減ってきやがった。インタビューの途中だが、先に報酬を頂かせてもらおうか。 今晩は、あんたのおかげで、外に出なくてすむしな。 襟のボタンを外し首筋を出して、目を瞑ってくれ。 約束は400ccだったな。な〜に、痛くはしないさ。もう、何百年も毎晩繰り返してるんだぜ。 最後にもう一度確認だが、経験済みじゃあないだろうな。 俺ら一族は、生娘の血しか吸わねえんでね…。
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