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≫ December 24th, 8:30 pm, Hizense
《ジジッ……》《ウィーン……!》
いかなセキュリティであろうと、Z級能力者の前では意味を成さない。
カラーノイズでYルームのロックを解除し、入室したネシオは、薄暗い部屋の中を真っ直ぐ進んでいく。
そこは子ども部屋のようなデザインの部屋。中心にあるベッドだけが淡い光に照らされている。
ネシオはそのベッドに寄り添うと、横たわる一人の幼い少年に声をかけた。
「Yuhim……. Yuhim, Remember……?
(ユヒム……。ユヒム、覚えているかな……?)」
「…………。」
ナイトキャップを被り寝ている、五歳くらいの少年。
彼は呼びかけに反応することなく、目を閉じたまま、身じろぎひとつしない。
「Counting on you…….(頼んだよ……。)」
しかし、ネシオが話し終えると、少年はゆっくりと口を開き……。
「Yawn…….(ふわぁぁ……)」
大きなあくびをした。
すると、それに合わせ、不思議な波動が周囲に放たれ、空間が歪んでいく。
ネシオはその光景を、笑みを浮かべながら見守った。
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