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「何でわたしが居ると、周りがこんなことに・・・」
『呪いのウサギ』というレッテルが剥がれなくなった、耳毛ノウサギのイチゴは草影で頭を抱えて悩み込んでしまった。
「何で・・・?何で・・・?何で・・・?何で・・・?
う~~~~~~~~~~ん・・・」
ノウサギのイチゴは、けもの道を右往左往ピョンピョンと飛び回って深く考えて考えて、考えていた。
「う~~~~~ん・・・ん?」
ノウサギのイチゴは、足元に奇妙な物が落ちているのを見つけた。
その奇妙な物を見てみると、うす汚れた猫の縫いぐるみだった。
「あ、そうだっ!!その手があった!!」
ノウサギのイチゴは何を思ったのか、そのボロボロの猫の縫いぐるみの中身の綿を全部歯で掻き出すと、着ぐるみのように縫いぐるみのがわを着こんでしまった。
「これで、わたしは『呪いのウサギ』で無くなったわ!!
これからわたしは、『普通の猫』として生きるわよ!!」
イチゴの扮したどうみても不恰好な『猫』は、ピョンピョンと『猫』らしからぬ足取りで暮れかかる太陽が照らす、けもの道を駆けていった。
「今日から私は『ウサギ』じゃないのよ!!『猫』なのよー!!」
ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!
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