夕暮れはきみと

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「永瀬!帰りにみんなでコンビニでも行くか?って言ってるけど、お前どうする?」 サッカー部の部室で着替えていると後ろから声を掛けられた。 「俺、帰りの方向逆だし、今日はいいや。またにする」 「うぃー」 笑って去って行く後ろ姿を見ながら白シャツのボタンを留めてズボンの中に突っ込む。 自転車の鍵を持ってカバンを背負うと 「お先に!」 俺は部室を出て走って自転車置き場に向かった。 焦っているのか自転車の鍵はなかなか開かない。 落ち着けよ、俺。 まだ暑さの残るこの季節。 汗が滲んできてぐいっと手の甲で拭う。 あ、そういえば…俺、部活終わりだし今まさに汗かいているけど…大丈夫か? くんくんと臭いを嗅いでみて… うーん。わかんない。 とりあえず、自転車に乗って走り出す。 橘…来ているかな? 昨日ので引かれてあそこに居なかったら…辛いかも。
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