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次の朝早く、警備員から電話があった。
「エジプト展で盗難が・・・」
「何が盗まれたの?」
「ネコのミイラです」
「他には?黄金や象牙の宝物は?」
「いえ、ネコのミイラだけ。しかも、展示室は鍵がかかったままでした。そして不思議なことに、どこから紛れ込んだのか仔ネコが1匹いたんです」
「何ですって?」
学芸員は博物館に急いだ。棺は空だった。しばらくしてエジプト青年ぺトーミもやって来た。
「盗難事件?」
学芸員は謝罪した。
「すみません・・・貴重な遺物が」
ぺトーミは言った。
「ところで、仔ネコはどこに?」
警備員が縞模様の仔ネコを連れてきた。ぺトーミは言った。
「これは私のネコ」
「え?」
「名前はラザロ」
にゃあと鳴いた仔ネコを抱いて、エジプト青年は去って行った。
「ぺトーミ(Petohmi)・・・イムホテップ(Imhotep)・・・まさか・・・?」
〜第1話 終わり〜
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