第1話 ネコのミイラ

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 次の朝早く、警備員から電話があった。 「エジプト展で盗難が・・・」 「何が盗まれたの?」 「ネコのミイラです」 「他には?黄金や象牙の宝物(ほうもつ)は?」 「いえ、ネコのミイラだけ。しかも、展示室は鍵がかかったままでした。そして不思議なことに、どこから紛れ込んだのか仔ネコが1匹いたんです」 「何ですって?」  学芸員は博物館に急いだ。棺は空だった。しばらくしてエジプト青年ぺトーミもやって来た。 「盗難事件?」  学芸員は謝罪した。 「すみません・・・貴重な遺物が」  ぺトーミは言った。 「ところで、仔ネコはどこに?」  警備員が縞模様の仔ネコを連れてきた。ぺトーミは言った。 「これは私のネコ」 「え?」 「名前はラザロ」  にゃあと鳴いた仔ネコを抱いて、エジプト青年は去って行った。 「ぺトーミ(Petohmi)・・・イムホテップ(Imhotep)・・・まさか・・・?」 〜第1話 終わり〜
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