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「ちょうどよかった。あなたとふたりきりで話したかったの」  え?えええ?  たちまち心拍数120オーバー、ドッドドッド、心臓がサンバを踊る。キィ子が近づいてくる。ふわっとプアゾンの香り・・・オレがデレ〜ってなってると、 「バンドにおけるベーシストの存在意義とは?」と、キィ子。  あ、そういう話し?心拍数70にゲキ落ち・・・サンバからボサノバって。 「 Mくんはイケメンでリードボーカル、あなたもカワイイけど地味なベースでバックボーカルでしょ?」  カワイイって言われちゃったよ!ウフフ!・・・いやいや、オレはそんなキャラじゃあないし、裏方で全然いいんだけど。 「ポール・マッカートニーやスティングはリードボーカルでソングライターでイケメン」 このおばちゃん、あくまでイケメンにこだわるな。 「ビリー・シーンやいかりや長介はバンドリーダーでしょ?」  MR. BIGとドリフが同列なのか? 「あなたは、ピアノ弾けるし、曲も作れるから、アレンジの勉強してみたら?」  たしかに興味はありますね。 「でも、うちのバンドって、コード渡して8ビートとかサルサとか言ったら、みんなそれっぽく弾いてくれるから、ことさらアレンジっていらなくないですか?」と、オレ。
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