始まりの譜

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あれ以来本当におじさんは定期的に来ては 何かしら僕にお土産を持ってきて国に来ないか?と話しに来た。 2人はあれ以来2人でコソコソ何か話してションボリする事が多くなった。 それにご飯は他所で済ませてるのか僕を食べなくなった。 「ねぇ、2人共僕を嫌いになった? 僕ここに居ないほうがいい?」 ずっとモヤモヤしていたけど、遂に我慢できなくなり切り出した。 2人はギョッとした顔をして僕の方に歩いてくる。 「そんな事ある訳無い。」 「そうだよ。 なんでそう思ったの?」 「だって、最近2人してコソコソ話してたり 僕を避ける様に居なくなる様になった 前の世界で同じ事された時は僕が嫌いで一緒に居たくないからだって言われた。 2人もそう思ってるならハッキリ言ってくれれば…僕どっか行くよ?」 こんな事慣れっ子なのに 涙が勝手にポロポロ出てくる。 僕の涙を見てユキはアタフタして ティキは僕の涙を舐めとる。 「ち、違うんだよ!依! あれは…依にとって国に行ったほうがいいのかなってティキと話し合ってたんだ。 僕達の気持ちを優先したらいけないって…」 「だけど、その行為が依を傷つけてるとは思わなかった。すまない。」 ションボリする2人を見てポカーンとしてしまう僕 「それに、依を嫌いなんてそんな事ある筈ないよ! ティキの次に依が好きだよ。」 「俺もユキの次に依が好きだ。」 「…っ」 嬉しくて2人に抱きつく。 好きなんて初めて言われた。 「僕達は依といたいけど 国に行ってちゃんと勉強とかをした方が後々依の為になると思うんだ。」 「やだっ…2人といたいもん。」 フルフル首を振る 「…俺達も離れるのは嫌だ。 だが、俺達が街に降りれば確実に討伐対象になって追われる事になる。 だから考えたんだ。 お前と居る方法を。」 顔をあげてティキを見る。 「あのね、依さえ良ければ 僕達と魂の契約をしよう。」 魂の契約? 意味がわからず首を傾げる 「この世界に魔法があるって話はしたよね? それでね、魔法使いには使い魔ってのが居るんだ 大体は中等部くらいで召喚するらしいんだけど 例えば精霊やドラゴン。 出てくるのはその人にあった使い魔が出てくるんだ。」 「それで、そこでするのは普通の使い魔契約。 僕達がやろうとしてる魂の契約ってのは その言葉のまま。魂と魂で契約するんだ。 普通の使い魔契約は使い魔側の魔力や力が制限されるし契約解除もできるけど 魂の契約は契約解除は出来ないんだ。」 わかる?と僕を見るユキに頷く。 「それに魂の契約なら 僕達の力が依を守ってくれる。 何処にいても依の元へ駆けつける事ができるんだ。」 魂の契約の方がメリットが大きい…って事かな? 「契約されてる使い魔は国への出入りも可能になる筈だ。 ならん場合あの男がどうにかするだろ。」 「僕達は一生依と居たいと思ってる。 後は、依次第だよ。」 2人の視線がささる。 「そんなの決まってるよ。 2人と契約する!」 きっと2人みたいな人とは2度と出会えない。 僕に触れられ普通に話して僕を好きだという人になんて。 2人を抱きしめると 2人の尻尾がブンブン振られてるのが目に入ってニヤけてしまう。
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