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アルバムを1冊見終わったところで、金原が疲れたように息を吐く。 「じゃあ、私たちそろそろ部屋に戻るから」 「あら、そう?お菓子は?お部屋に持っていきましょうか?」 「自分でやるからいい」 そう言うなり、金原はキッチンから盆をひとつ持ってきて、テキパキと久住のマグカップまでを乗せてしまった。 「あ、ありがとう。俺持つよ」 「いいよ、お客さんだし」 「でもそれ重くない?」 「いや全然」 そう?と首を傾げたところで、くすりと笑い声が聞こえた。振り向くと、母親がクスクスと楽しげに笑っている。久住と金原が揃ってきょとりとした顔で目を瞬くと、母親はそれにもおかしそうに笑い、言った。 「ごめんなさいね、あんまり可愛くて。仲良しなのね、安心しちゃったわ」 にこにことそう言われ、2人は顔を見合わせて困ったように笑った。
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