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わたしは、初めて本気で人を好きになって、その人に心も身体も溺れて。ただただ、望むことは恋人同士になって深く結ばれたいって、そう願っていただけだ。
それも無理なら、遠い記憶の、ほんの少しの苦さと甘さの、思い出の人であれと。傷つけず苦しまず、悩まず汚さず、お互いの道をそれぞれ歩むだけのことだった。
それなのに、どうしてこんなことになってしまったんだろう。
数年後に、浩太郎とただのセフレになってしまった。
親友でも友達でも、まして恋人同士でもない。
欲だけをぶつけ合う、獣のような関係に、成り果ててしまった。
高校生編 完
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