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さらにパパが、
「飛んだって……アンナの教室、四階だろう?」
「そう、一番上の階よ」
ママは不安げに、
「それで……どうなったの?」
「先生も、あたしたちも、窓に駆け寄ったわ。そしたら、もう下の花壇がメチャメチャで……」
両親は目を丸くして、また顔を見合わせた。
アンナは、コップのお茶を一口飲み、
「まるで野菜サラダにケチャップをドバッて、かけたみたいだった」
「今度、その男の子に会ったら訊いて……」
「あなたッ!」
パパは、はっとした。
「でもね、その男の子、それっきり学校に来なくなったの。引っ越したのかな……?」
アンナは平然と、オムライスの最後を食べた。
両親は、ただただアンナを見詰めた。
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