アヤカがいた午後4時半

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 秋曇りの午後二時頃……  東京都の下町――K区にある都立K小学校の傍を、アヤカは歩いていた。  黒いワンピースを着たロングヘヤーの奇妙な美少女だった。  ふと見上げると、何やら奇妙な色の雲があり、だんだんと広がっていった。 「何か……怪奇な事が……」  やがて彼女は視線を学校に向け、二年生の教室を見詰めた。  それから数時間後……K小学校から少し離れた住宅街の、一角に在る二階建て家屋の一階では、夕食が始まっていた。  両親はスパゲティを食べている。  その向かいに座ってオムライスを食べている、二年生のアンナが、 「きょう授業中にね……」  両親は、ほほえましそうに愛娘を見ながら、うなずく。  アンナはつづけて、 「クラスの男の子が、突然立ち上がって、いま神様に話しかけられました……って言ったの」
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