1.お悩みは野良猫に

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 家から五百メートルほど離れたところにある公園に着くと、そこに住んでいる、サビ猫のところにつれて行ってくれた。  大きな金色の目を縁取る、アイラインのような模様が印象的で、とても賢そう。その仔の名前はトーティ。  母性本能が強いサビ猫らしく、寂しそうにしていた女の子をなぐさめに近づいたとのことだ。  それからというもの、毎日のようにご飯を届けてくれるようになり、今回の依頼を聞くに至ったと、女の子の家に向かう道すがら話してくれた。 「ここよ。あの子が依頼者よ。そして、あっちが例のおじいちゃん」  あやしまれないように少し離れた場所から、家の中をうかがう。 「わかったわ。ありがとう」  一通り話し終えると、トーティ「どういたしまして」と、満足そうに体をすりつけて、帰って行った。  よし、そうしたら仕事は今夜ね。帰ってあいつにも言わないとね。そろそろ起きた頃かしら?  そうそう、帰る前にこれだけはやっておかないと――『契約の儀式』
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