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同じ沢渡という苗字からも分かるように、二人は兄妹――しかも双子だ。
けれども全く似ていない。外見からして、光太郎は切れ長の目を持つ美男子だけれども、律はくりくりとした大きな目が特徴の美少女と、随分と違う。
性格も正反対だ。頭脳派で冷静な光太郎は、律以外に対しては思いやりのある穏やかな男の子。律の方は、熱血女子を絵に描いたような姉御肌の女の子だ。
その上、ご覧の通りの犬猿の仲。その仲の悪さは、ご近所でも学校でも知らぬ者はいないというほどに有名だったりする。
「なんで高校に行ってまで、お前の顔を見なきゃならないんだ。進学校に行けば、バカのお前とはオサラバだと思ったのに……」
「それはあたしのセリフですぅ~! あたしがスポーツ推薦目指してた高校に入って来たのはアンタの方でしょ? 全く、あたしの計画全部パーだわ!」
高校進学を機に別々の進路を歩むはずだった二人は、何の因果か同じ高校へと進むことになった。着々と準備を進めていたものだから、相手の志望校を知った時には、もうお互いに進路の変更が難しい状態だったらしい。
おまけに私も同じ高校に入学したのだから、これはもう腐れ縁という他ない。
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