誰かからの挑戦状

2/4
前へ
/162ページ
次へ
「誰が、何の目的でこんなことをしたのかしら。魔王城の設備に干渉する魔法なんて、並大抵の技術ではないはずなのだけれど」 「とりあえず、アタシとしては施設の復元をしたいですね。こんなムチャクチャなままじゃ、楽譜庫を開けてられないので」  考察をするアイリーンに、楽譜庫の管理人としてイアンナは言った。  犯人捜しはともかく、彼女として大事なのは案内板の復旧である。膨大な量を収める楽譜庫で、案内システムが機能しないのはかなりの問題だ。  当座の処置として入り口のドアには『休憩中』という札を下げてあるが、いつまでにどうやって状況を解決するか、目処は立っていない。  困り果てたといった風に頭をかくイアンナに、しかしアイリーンは「あら」と微笑んだ。 「ムチャクチャ、ではないと思うわ。それに解決法自体は既に示されているわよ」 「え?」
/162ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加