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「誰が、何の目的でこんなことをしたのかしら。魔王城の設備に干渉する魔法なんて、並大抵の技術ではないはずなのだけれど」
「とりあえず、アタシとしては施設の復元をしたいですね。こんなムチャクチャなままじゃ、楽譜庫を開けてられないので」
考察をするアイリーンに、楽譜庫の管理人としてイアンナは言った。
犯人捜しはともかく、彼女として大事なのは案内板の復旧である。膨大な量を収める楽譜庫で、案内システムが機能しないのはかなりの問題だ。
当座の処置として入り口のドアには『休憩中』という札を下げてあるが、いつまでにどうやって状況を解決するか、目処は立っていない。
困り果てたといった風に頭をかくイアンナに、しかしアイリーンは「あら」と微笑んだ。
「ムチャクチャ、ではないと思うわ。それに解決法自体は既に示されているわよ」
「え?」
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