10人が本棚に入れています
本棚に追加
自信満々に言い切るアイリーンに、イアンナが驚いたように目を見開いた。アイリーンがここに来てから、まだわずかな時間しか経っていない。
簡単な状況説明をしたくらいである。なのにもう事態解決の糸口を見つけたという魔王の娘に、楽譜庫の管理人は驚いていた。
そんなイアンナに、アイリーンはうっすらと微笑んで言う。
「唯一残された手掛かり。イタズラを施された案内板を解析すれば、逆操作しておかしくなった部分を排除できるはず」
「でも、解析といっても出てくる数字はデタラメで」
「うちの執事がさっき楽譜を探したとき、案内メモは『外れ!』と言ったのだそうね。それは裏を返せばこの謎には正解がある、ということよ。もっと踏み込んで言えば――このイタズラを仕掛けた張本人は、事件が解決されるのを望んでいる」
最初のコメントを投稿しよう!