誰かからの挑戦状

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 自信満々に言い切るアイリーンに、イアンナが驚いたように目を見開いた。アイリーンがここに来てから、まだわずかな時間しか経っていない。  簡単な状況説明をしたくらいである。なのにもう事態解決の糸口を見つけたという魔王の娘に、楽譜庫の管理人は驚いていた。  そんなイアンナに、アイリーンはうっすらと微笑んで言う。 「唯一残された手掛かり。イタズラを施された案内板を解析すれば、逆操作しておかしくなった部分を排除できるはず」 「でも、解析といっても出てくる数字はデタラメで」 「うちの執事がさっき楽譜を探したとき、案内メモは『外れ!』と言ったのだそうね。それは裏を返せばこの謎には()()()()()、ということよ。もっと踏み込んで言えば――このイタズラを仕掛けた張本人は、事件が解決されるのを望んでいる」
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