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今度こそ謎を解くため、アイリーンと臣下のムラゾウとスズエの三名は尾行を続けていた。
一行が歩くのは人通りのある、城下町のストリート。
果物屋に肉屋。アクセサリー屋に武器防具屋。実に多種多様な店が軒を連ねている。
そこを通り過ぎていく執事フィオネル――颯爽とした身のこなしを、一行は見つめていた。
「もしかしたら、本当に女のとこかもしれんなあ」
「スズエー! お嬢様の前でめったなこと言うもんじゃないよ⁉」
「いや、だって状況からして、なあ」
男の様子がおかしくて、花束持って街を歩いてたらそりゃ、なあ――と、うなるようにスズエは言う。
これまでの状況からして、確かにスズエのように考えられなくもない。むしろ、そう考えるのが自然ですらある。
自分の執事が誰と付き合おうが、別に知ったことではない。
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