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正確に言えばアイリーンが好きなのは『自分の推理が当たっていること』であって真実そのものではないのだが、それはムラゾウのあずかり知らぬことである。
ただ、真実という言葉自体は、探偵を目指すアイリーンに突き刺さるものだ。
曇っていたアイリーンの目に、光が戻ってくる。
「……そうね」という言葉と共に、お嬢様はふっと口の端に笑みを浮かべた。
「……私としたことが、やるべきことを忘れていたわ。そうよ。今までの証拠を全部集めて、これでもかというくらいの推理を組み立てて、フィオネルに突きつければいいのよね……!」
「なんかちょっと怖いですが、その意気ですアイリーン様!」
「おっ、やっこさんに動きがあったで!」
盛り上がる尾行一行をよそに、被疑者の方は目的の場所にたどり着いたようだ。
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