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たどり着いた目的地
「ここはあれや。最近評判の、よく当たる占い師の館やな」
尾行対象が入っていった店を見上げ、ミミックのスズエが言った。
「『月華の魔術師』。元々は名前のとおり魔術師やったんやけど、なんとなく占いも始めたらこれが大ヒット。女子に人気のスポットとして盛り上がっとる」
「よく知ってるねスズエ……」
ほへーっとその月華の魔術師とやらがいる占いの館を見てスズエが言うのに、ミノタウロスのムラゾウが応じた。
怪しい動きをする執事を尾行していったら、なぜかこの占いの館に入っていったのだ。
もちろん執事は男性だし、占いに興味があるようにもあまり見えない。
どうしてこの館に入っていったのか、見当もつかないのが正直なところだ。
すると、執事の主・アイリーンがむすっとした顔で言う。
「……その月華の魔術師とやらは、どんないで立ちの者なのかしら」
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