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かなり集中していた。まだ半ばも完成しないところで、はっとした。なにとはなく直感が走ったのだ。ばっとスマホを取り出してみると、時間は五並び。ゾロ目でラッキー、なんて悠長にはしていられない。
「江本さん、あと五分で六時です!! 開店しなきゃ!」
「そうですか。では片付けましょう。佐田さんは、表の準備をしてください」
いつも通り、抑揚のない言いようだった。けれど、絵具をしまう手つきには、焦りが出ていた。規定の配置と違う順序に入れてしまったのだろう、パズルをするみたいに入れ替えている。
「は、はい!」
私は、テーブル席に垂らしてあったのれんをひっ掴むと、腰巻に結んでいたキーケースを手にする。
店の合鍵をもらっていたのだ。万が一があったときのため、とのことだったが、こうも早く使う機会くるとは思わなかった。緊急時とはいえ、使えるのは、なんだか嬉しい。
これで外に開店待ちの人がいれば最高なのだけど。
そう思いつつ戸を引いて、本当に出くわした。
「おぉ、やっと開くんか。待っとったで」「……こんばんは」
坂倉教授と国見さんだった。
♢
教授が言うに、開店待ちをしていたのは、
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