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院内放送の流れる病院のロビーを歩いていた。
ごった返す待合室を見ながら津田秋彦は、今日も満員御礼だな、と八咫に殴られそうなことを思っていた。
「満員御礼ってなんだ。
店じゃないんだぞ」
とか言ってきそうだな、あの生真面目な理事長は、と秋彦は思う。
だが、やり手の理事長のおかげか、病院は今日も盛況だった。
「おい、秋彦」
と声がして振り向いた。
そこに居た白衣の男に、つい、どきりとしてしまう。
何度見ても心臓に悪い顔だ、と秋彦は思っていた。
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