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高坂の熱い唇を思い出させる――。
彼と同じ口づけだった。
ただ似ているだけの人なのかもしれないと、ほんのわずかながらの不安もあった。
でも、それも今、消し飛んだ。
いつの間にか曲は終わっていたが、利樹はまだ真生を抱き締めていて、真生もまだ、利樹の胸にすがっていた。
「真生ーっ」
「何処行ったの、真生っ。
掃除おわったわよ、このサボりっ!」
と下から夏海たちの声が聞こえてくる。
「行くか」
と離れた利樹が真生の手をとり、先に少し階段を下りる。
「……はい」
と微笑みついて行こうとした真生に利樹が言った。
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