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「原さん。よろしくねぇ」
どこか間延びした谷川さんの声に、私はもう一度頭を下げる。
「よろしくお願いします」
谷川さんはアハハと笑う。マスクに引っかかりそうな派手なピアスがジャラジャラと揺れている。
「原さんはねぇ、必要最小限のことだけしてくれれば良いよ。どうせ私が戻って来てやるんだし、短期間でヘタに変えられても困るしねぇ」
「分かりました」
小さく頷く。
(所詮の短期ですからそのつもりです。ご心配なく)
そして私の新しい一年が始まった。
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